髙鳳包丁
日本の匠と伝統美を日常に
池田美和作 - 白一水焼本焼
池田美和(Yoshikazu Ikeda)は、希少かつ高度な技法である水焼本焼き(水冷焼き入れ)に精通した名匠として知られています。この技法は、刃を高温に熱し、水で急冷することで、卓越した鋭さと耐久性を持つ包丁を作り出します。水本焼き技法を習得した職人は極めて限られており、池田氏はその中でも高く評価されています。
池田氏の包丁は、白紙一号鋼(白紙鋼とも呼ばれる)を使用しており、この高炭素鋼は純度が高く、非常に鋭い刃を作り出すための素材として評価されています。「白紙」という名前は製造過程で鋼が白い紙で包まれることに由来しており、日本で主に使用される伝統的な鋼材です。白紙鋼で作られる包丁は、温度管理が非常に重要であるため、鍛造には高度な技術が求められます。池田氏の包丁はプロのシェフやナイフコレクターから非常に高く評価され、しばしば市場で高値がつけられています。
その職人技を称え、池田氏は2014年に大阪府から「浪速の名工」に選ばれ、堺市から「ものづくりマイスター」としても認定されています。
山塚尚剛作 - 銀三本焼
山塚尚剛(Shogo Yamatsuka)は、大阪・堺を拠点とする伝統工芸職人であり、本焼技術に卓越した技術を持ち、銀三鋼などの素材を用いて高品質な包丁を製作しています。本焼は、単一の鋼材を使用して熱処理を行う伝統技法で、通常は水ではなく油で焼き入れが行われます。これは鋼が非常に硬いため、水で急冷すると割れてしまう可能性があるためです。本焼包丁は、その高い硬度と、切れ味を高めるための摩擦の少なさで知られており、食材の組織を損なうことなく、きれいにカットすることが可能です。この技法は高度な技術を要するため、本焼包丁は高級品として非常に高い価値を持っています。
銀三鋼は、日立金属によって製造された高品質のステンレス鋼です。錆に強い一方で、長期間にわたって鋭い刃を保ち、炭素鋼に匹敵する切れ味を提供します。銀三鋼で作られた包丁は、その実用性とメンテナンスのしやすさから、プロのシェフや家庭料理愛好家に高く評価されています。山塚氏が手がける銀三鋼の包丁は、美しさと機能性を兼ね備え、優れた切れ味を提供します。
中川悟志作 - 墨流し
大阪・堺を拠点とする職人である中川氏は、墨流し技術を用いた作品で高い評価を得ています。墨流しは、日本古来の鍛造技法で、鍛造過程で鋼の表面に現れる独特な波模様が特徴です。この技法は単なる装飾ではなく、長年にわたり職人が磨き上げた高度な技術の結晶です。
近年、ダマスカス包丁と呼ばれる、墨流しに似た模様を持つ包丁が市場に多く出回っていますが、ダマスカス技法は比較的新しい技法であり、墨流しとは本質的に異なります。
Japonistiqueで販売されている中川氏の墨流し包丁は、青一鋼と軟鉄の16層構造で作られており、非常に高い硬度と耐久性を誇ります。この16層鍛造によって生まれる独特の波模様は、視覚的な美しさだけでなく、刃の機能性も最大限に引き出しています。プロのシェフやナイフ愛好家にとって、中川氏の墨流し包丁は、実用性と芸術的美しさを兼ね備えた一生物の財産となるでしょう。
AUS特殊鋼シリーズ
AUS鋼は、髙鳳包丁でも使用されている素材で、優れた耐食性と耐久性で知られています。このステンレス鋼は、長持ちする切れ味とメンテナンスのしやすさを兼ね備えており、プロのシェフだけでなく一般家庭でも愛用されています。
AUS鋼包丁は、長期間の使用でも鋭さが持続し、耐久性に優れているため、日常使いに適しています。ステンレス鋼の特性により錆びにくく、メンテナンスも簡単で、プロフェッショナルから初心者まで幅広くお使いいただけます。これらの特性により、AUS鋼包丁は性能とお手入れのしやすさのバランスが取れた包丁です。